悪玉コレステロールなんてあるはずない

コレステロール危険論

 

 

肉や卵からコレステロールを摂るのは危険だというのは、耳慣れないが、覚えやすい言葉です。一種の流行でありました。それは当然で、1950年代の終りといいますと、やっと朝鮮戦争が終わった頃です。平均寿命が男は65歳、女は70歳で、現在よりも15歳も違います。今65歳で定年を迎える、仕事がなくなるという時代にはもう死んでいたわけです。

 

雰囲気もかなり違っておりました。以後、少しずつ寿命が伸びて、健康にも注意しなくてはいけないという時代でした。食事も欧米化していくのですが、そこで肉や卵は危険で注意する必要があると言ったわけです。それまで肉や卵は食べられなかった時代で、そうした話に飛びついたのは無理がないわけです。

 

私の中学校ぐらいか、おやじとかおふくろがいつもコレステロール、コレステロールと言っていたわけです。それを思い出します。生活全体がそういう間違いを受け入れる素地があったということです。

 

医師、栄養の専門家の人にも問題がありました。それまで病気の治療が主な任務で、病気を未然に防ぐ、健康を保つというのはほとんど研究もなく、経験もなかった時代です。初期の研究、ちょっとした研究でこういうのがあります程度に言うべきだったのに、断定的に言ったのです。

 

最初の失敗はいいとして、1980年代くらいになってきますと、コレステロールが危険というのはおかしいのではないかという、研究結果がかなり出てきました。やっと2015年になって正しいと言われ始めたのは、潰したのは医師であり、マスコミでした。今まであまりに一方的にコレステロールは悪いと言っていたものですから。私がコレステロールショックを取り上げようと思ったのは、健康に直接関係があるからで、コレステロールは多いほうがいいのです。